汗をかいて、頭を使って働くこと

「男やったら、頭使うか、汗かくかして、お金もうけなあかんやん。そう思わへんか?」

百戦錬磨の患者さんがこうおっしゃいます。

「いやー、私は見る目がないし、そんな風に男をみたことがないから…」と答えました。

「男やったら夢やロマンをもって必死に汗かくか頭使うかして仕事しなあかんと思うで」と続きます。

この方は訪問マッサージと訪問リハビリを同時に受けられていて、いつも私に

「なんでこんなしんどい仕事選んだん?あんたみたいに一生懸命する人は少ないと思うけど。」
と言って下さいます。

そして私と訪問リハビリを比べて

「リハビリは楽な仕事やで。足持ち上げるのにちょっと力いるけど、ほんま楽な金儲けやと思う。汗もかかない、同じことを繰り返すばかりで頭も使わない、こんな仕事では、夢やロマンを持つのは難しいと思うわ」
と言われます。

この方の言われていることが、全て正しいとは、もちろん思いません。
こちらの工夫や考えの全てを患者さんに伝えるのはとてもむつかしく、表面的な理解で誤解を招くことがよくあるからです。

しかし患者さんにこのように思われているということに自覚がないのはよくないと思います。「こちらはなんとかよくなりたいとマッサージも受けリハビリもお願いしているのに、頭も身体も使ってない」と患者さんに思われては、実際マッサージが良くしている力になっていてもそのおかげだと感じてもらえません。

今回はリハビリの先生に対する言葉ですが、これは私たちマッサージに対しても同じで、
「なんとかしよう」と工夫する姿勢がなければ、同じように思われてしまうのでしょう。
ですから、相手に伝える努力がやはり大切なのかなと思います。(必死で工夫していると自ずと伝わるものであるように思いますが)

この方は女であって仕事一筋に生きてこられた方なので、男なら尚更という意味で言われているように思いますし、この言葉の本質は、男子とは、ということではなくて、仕事に向き合う姿勢について言われているのかと思います。(とはいえ、魅力的な男とはという極めてパーソナルな問なので、男とはと言っても問題はないように思いますが)

また、職種による優劣より、仕事に向き合う姿勢で判断をされているのだと思いますが、これは私たち訪問マッサージ師にとってとても大きなヒントになるように思います。

患者さんの依頼目的を達成するために、必死の工夫を凝らすことが大切なのであり、理学療法的なアプローチであっても、結果にコミットしているという実感がなければ評価は高くならないのでしょう。

マッサージだから評価が低く、理学療法的なアプローチをしているから安心というような訪問マッサージの宣伝を見たり聞いたりすることがありますが、そうではなくて、結果にコミットしていく姿勢が何より大切だと言われたように思います。

「汗をかいて、頭を使って」頑張っていきましょう❣

雲はあっという間に形を変えてしまいます。だから、撮りたい時に撮らないとすぐに変わってしまう。今しかない!のです。

2019初仕事

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

営業は明日(4日)からの予定でしたが、患者さんから

「背中が痛いし来てほしい」と電話がかかって来ましたので、初仕事に行ってきました。

訪問マッサージの仕事は、ヘルパーさんや訪問看護師さんのように、なければ毎日の生活が立ちゆかなくなるというものではありませんし、お医者さんのように命の危機に直面しているかどうかを判断するという緊急性のあるものでもありません。

定期的計画的に施術している身体がお休みでどう変化するか、あるいはその変化に気付けるかという、お休みの間の患者さんの身体を知り、これからの仕事に生かすことも大切なことだという思いもあり、カレンダー通りのお休みをいただくことは大切な時間だと思っています。

それでも、定期訪問だからこそ、一週間のお休みで、身体が変わり、転倒の危険性が高まるのじゃないか、身体が硬くなり、循環が滞ることで、肺炎や尿路感染症になるのではないかとか心配になり、ギリギリの状態で維持されていると考える時は、お休み中に訪問することもあります。

また、そう考えている一方で、この考え自体は傲慢なんじゃないかとう悩みを常に抱えてもいます。
大した存在じゃないのに、自分を誇大に評価しているのではないか、単に金儲けしたいだけと思われているんじゃないかと後ろ向きな考えが湧いてくるのです。

ですから「緊急コール」をいただいた時は、都合がつく限り、ありがたく伺いたいと考えています。

今日電話を下さった方は、慢性閉塞性肺疾患で、在宅酸素をされており、緊張が高まると十分な酸素交換ができず、肺炎になりやすいように思います。

背中の痛みは、十分な呼吸ができず、緊張が抜けない時に起きるようで、呼吸補助筋の緊張を緩めることで、「マッサージしてもろたら楽になるから」と電話を下さいました。

この方は、11月の連休の時も訪問日に重なり、お休みを頂きましたら、すぐ肺炎、入院になってしまったのです。軽くて済んだのですぐに退院してこられたのは幸いでした。

マッサージがどれくらいの力を発揮するのか、本当のところはわからないのですが、患者さん本人がマッサージがないとつらいと感じて下さるのが答えなのかなと思います。

数字に現れないかもしれないし、エビデンスとやらで追試できないかもしれないけれど、患者さんから必要とされるように頑張っていきたいと思います。

本年も精進して取り組んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

ブログの編集人

文章を書くのがうまいと褒めていただく事もある私のブログですが、実は林さかなさんの編集をへてアップロードされています。

林さかなさんは、遠く離れた福島県在住の30年来の友人です。

その林さかなさんが、『本の雑誌』に新刊紹介コーナーの連載をすることになりました👏👏

この雑誌は知る人ぞ知る業界の雑誌だそうです。

さかなさんの文章は、その選書から、紹介に至るまでさかなさんらしくて、本当に文章の上手い人なのだと改めて感心しました。そして、こんな人に編集をしてもらっている私は本当に幸運な人間だなと思いブログの更新に励まねばと思っています。

子どもの頃から、私は文章がうまいと言われた事は一度もなくて、自分の考えや仕事の体験を誰かに知ってもらいたいとは思っていても、文章で発信する自信など全くありませんでしたが、自分の治療院の宣伝をするためにフェイスブックで少しずつ発信していました。

するとさかなさんが、
「美香ちゃんの文章は、マッサージの話に特化して、とてもいい」と言ってくれました。

編集や書評を書くことを仕事にしていたこともあるさかなさんに褒めてもらったことが私の大きな支えになり、ブログに文章を書こうと思えるようになりました。

実際には、なかなかうまくまとめられず、伝わるのだろうかと不安な時もあるのですが、さかなさんの手を経て「世に出る」ということが大きな大きな安心感になっていて、あとはお願い〜って気持ちでさかなさんに送信しています。

そのまま通ることもありますが、「てにをは」に魔法の粉が振りかけられキラリと光る文章に変身していることも、それから大幅に手直ししないと世に出せないという時もあります。

いそがしいさかなさんの時間を割いてもらうのは本当に心苦しく、文章自体が上達するよう頑張ってはいますが…さかなさんの魔法の粉があまりにステキですっかり甘えています。

文章が上手になるには、読書をすることだとよく耳にしますが、私はものすごく遅読で、本が嫌いなわけではありませんが、読み終えるのに大変な労力を必要とします。
さかなさんは本が大、大、大好きで読むのも本当に早くて、さかなさんの家は小さな図書館よりも充実しているのではないかというくらいの多読家です。

でも文章が上手いということは、単にたくさん本を読み、正しい文章が書けるということではなくて、その感受性の豊かさが大切なのだということにようやく気づきました。

起きた出来事を丁寧に、読む人がみているように丁寧に伝えられる眼なのかなと。

まだうら若き二十代前半の頃の私は自分と世間の折り合いをつけるのがとても下手でハリネズミみたいにしか自分の心を守ることしかできない人間でした。さかなさんは、22歳の私のトゲトゲバリアをいとも簡単に超えて話しかけてくれました。

さかなさんにはわたしのトゲの奥に広がる心の中が見えたようで、
「ここにそっくりな人がいる」と思ったそうです。

私の感受性に反応し、私の文章から私の心を読み解くことが、多分私以上にできるのじゃないかと思うのです。

それで私の文章が、みなさんにわかりやすく届くことが出来ているというわけなのです。

良ければ是非『本の雑誌』を手にとって下さいまし。

さかなさんの支えのおかげで「書くぞ〜」と思えるのに加え、読んでくださる皆さまのおかげでがんばれています。

本当にありがとうございます。
年内にまだもう少し頑張ろうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

人の優しさが身に沁みました

昨日は、中学生の息子と愛宕山に登ってきました。

11月の初めに高校生の息子と行った時は山頂がちょうど紅葉の見頃でした。
今回は、山の裾野が紅葉の見頃で、観光客で賑わっていました。
どちらもとても美しく心あらわれる時間が過ごせましたが、それ以上の素晴らしい出来事がありました。

前回はお財布をザックに入れ忘れ、ようやく登山口までついたのに、駐車代が払えません。朝早く起きて車で一時間。取りに帰ることもできましたが、駐車場の方に頼むと、帰宅してから振り込むことでいいと駐車させて下さいました。一文無しでしたから、愛宕神社に着いても、お賽銭も出来ず、それでも見知らぬ他人を信じて下さる駐車場の方の優しい心に、暖かい気持ちになりながら帰途に着きました。

今回は、前日から、お財布をザックに入れて万端の準備を整えて向かいました。

登山口へ向かう清滝道は美しい紅葉の見頃でした。温度計は4度となっていて、風は冷たく、すこしだけ着込んで愛宕山を登り始めました。

登り始めたら、すぐにポカポカ暖かくなり、息子は次々と服を脱ぎます。全体の行程は頂上まで一時間半くらいです。五合目に休憩所があり、そこで少し休んで、カバンの中を整理して、再び頂上に向かいました。

部活現役の次男は疲れ知らずで、どんどん登って行くので、あっという間に山頂に着きました。

前回果たせなかったお賽銭を入れてお参りしようと財布を出そうとしたら、見つかりません。

さっきすぐに出せるようにザックのポケットにいれたように思うけど、ザックの一番下に入れちゃったかな。お賽銭はもうやめにしよう、すぐに見つからないと息子に言いましたが、息子が納得しません。仕方ないから下まで手を入れて探しましたが見つかりません…ザックの中に入れなかったかな?車に置いてきたかな。さっき荷物の整理をした時にあった気がするけど、気のせいかな?

とりあえずベンチに座りザックの中身を全部出して調べました。

ありません!車の中か先ほどの休憩所か…休憩所に置き忘れたかもしれないと息子に言っていると

「財布を忘れましたか」
と横を通った方が聞いてくださいました。
「五合目の休憩所にありましたよ。置いておいて大丈夫かなと他の人が言ってましたが、その後はわかりません」

と教えて下さいました。

息子は、誰かが取る前に走って休憩所に向かってくれました。

私は下りは膝にこたえるのでゆっくりしか歩けません。息子に望みを託して、わたしは、親切な誰かが持って上がって来て下さるかもと思い、行き違いににならないよう、すれ違う方に
「すみません。お財布を置き忘れたんですが、ご存知ないですか」と尋ねながら下りました。

何人かの方が、「ありました」と教えて下さり、また、次の方が「5人連れの男の方が神社の社務所に預けようと持って上がってこられてます」と教えて下さいました!

誰かが持っていく心配はなくなりました😭後は5人連れのグループとすれ違わないようにしなければなりません。
5人連れは、バラバラに歩いているかもしれないので男の人をみると財布のことを尋ねてまわりました。

一人の方が「田中さんですか?」と答えてくださいました。「5人連れのグループはすぐ近くです」と教えて下さいました。

財布の中にある私の免許証の名前は田中です。

そしてすぐに下から登ってこられた方が
手のひらに見えるように私の財布をのせて歩いて下さっていました😭😭

本当に感謝の言葉が出てこないくらい嬉しくて思い出しても涙が出てきます。声をかけて下さった方々みなさんが優しくて、こんな優しい人たちがいっぱいいる日本が大好きになりました❣️本当にありがとうございました。

財布がなくなっていたら、昨日の私はどん底な気持ちになっていたと思うと、人の優しさが生きる力になるのだと心の底から感じた一日となりました。

こんな気持ちを、毎日の仕事で患者さんに分けてあげられたら、それが何よりの力になるのかもと思いながら、五合目まで走っている息子が財布が無くて落胆している姿が目に浮かび、痛む足を引きずりながら私もまた走りました。

休憩所で息子と合流でき、お財布を渡して下さった優しい人たちの話をして、二人でゆっくり山を下りました。

走れメロスみたいに走って下山した息子は、今年一番の疲れだったと、もう立つのもようやっとな様子でした。

本当にとても素晴らしい一日となりました。ありがとうございました😊😊

愛宕山の神様に人を信じる心、お金を大切にする心を試されているのかと思うくらいの日でした。どちらも大切にしてまじめに正直に生きていきたいと思います。

ごまめは力をつけても歯ぎしりをする

昨夜は、いろいろいつも助けて頂いているお医者さんと看護師さんと食事を楽しみました。

おしゃべりな私はついつい一人でいろいろ話すぎたことを思い出し、今頃になって自己嫌悪に陥いっています。

それでも、お医者さんが「いろんな思いがいっぱい溜まっているんやろなぁ」と言って下さったのを思い出し少し救われた気分にもなっています。

自分では、ただただ仕事がいただけるように、日々真剣にやっているにすぎないのですが、訪問マッサージの置かれている状況が厳しすぎて、「なんとなく」仕事をしていられないのです。

マッサージ治療院も飽和状態にあり、また、訪問リハビリもどんどん増え、その上に、マッサージの同意書を書かないように医師会からも締め付けが厳しくなっていると聞きます。

実際のところ、経験の少ない若い理学療法士の訪問リハビリは、マッサージ施術以上の効果を本当に発揮しているとは限らないように思います。時代の要請で訪問リハビリの仕事は多く、その結果、研鑽や反省することが少なくないような話を耳にすることもよくあるからです。

また、喜ばしい事ではありませんが、マッサージの保険点数は、訪問リハビリの3分の1程度ではないか、つまり医療費の節約になるのになとも思います。

いろいろ言ってもごまめの歯ぎしりのようなものですが、この数年の厳しさの中で、おかげ様で、私だけでなく我が治療院全員のレベルは少しずつ向上してきているように思います。

圧倒的な臨床経験と技術力、医療人としての確たる倫理観だけが生き残る力の元になると考えています。

「ゴマメ」は力をつけて歯ぎしりしながら、頑張ります❣️

どうぞよろしくお願い致します。

気持ちいい天気です🍁🍁

人との真剣勝負

日曜日にマッサージをしながらして聞いた、患者さんの言葉があまりにカッコイイ。

「息子が高校生の頃、少しやんちゃな子で、バイクが好きだから、高校を中退してレーサーになりたい、と言い出したんです。

こうなったら、私と息子の真剣勝負です。
なりたいという息子と中退をすることはならんという私。
闘いです。先々のことも考え親としてどう責任をとるかですからね。」

子どもが親の価値観から出た生き方を望んだ時は、全身全霊で勝負をする。
子どもを一人の人間として尊重しているからこそ出てくるだろう考え方を耳にして、思わずマッサージの手が止まってしまいました。

こんなことをさらりと言うことができるのは、いつもこういう生き方をされているからなのだろうと思います。

この患者さんには、二週間に一度訪問することになっています。

頚椎症術後ですが、足がうまく動かず、家の中を移動するのも一苦労。お風呂の後の着替えが大変なのでお風呂に入りたくなくなるくらいなのに、主治医が同意書を書いてくれないので自費治療になってしまった患者さんです。

辛そうでも必死で生きる患者さんに施せる手がない時は、マッサージでもしてもらってみるかという気持ちになって下さる先生は少なくありませんが、残念ながら同意を得ることは出来ませんでした。

よくよく聞いてみると、

「自分の納得のいかない説明をされるともう話す気になりません。足の痛みに対してきちんと納得のいく説明なしに、手術しかないというようなことを言われるともう話をしようと思わないのです」というように、医師との信頼関係ができていない場合に、マッサージの同意を得るのは難しいように思います。

立ち上がるのも大変な状態なのに、きっとこの患者さんは、自分の大変さを見ようともせず、触ることなくレントゲンの所見だけで、簡単に手術という先生に身も心もまったく委ねることなく、涼しい顔で診察室から出て来られる姿が目に浮かぶくらい凛とした方です。

こういう真に自立的な精神の持ち主に、必要なのは権利であり、医者の温情としての同意書ではないでしょうか。

そして、この患者さんは、当然のように自費治療でお願いしますと言って下さいました。

こういう方に自費で治療をさせてもらえるというのは、大変光栄なことですし、この気持ちになんとか応えたいと思います。
結果を出すには週一回でも少ないように思いますが、ご本人の努力・懐事情を考えれば二週間に一度でもなんとかならないか奮闘中です。

手術により、もう麻痺はなく、ただ長年の筋萎縮や骨格の変化が起居動作を困難にしているだけではないかと考えているねで、その修正していくことで機能向上を図れるはずです。

治療を開始して3か月。
起き上がりや立位・歩行はスムーズになり安定してきましたが、まだまだ症状が改善したというには課題が多く残っています。

私も患者さんの身体との真剣勝負なわけです。逃げずに頑張りたいと思います。

整形外科にあった椎骨の模型図。
骨の形は、はそそられるものの一つですね😆

我が師 辻村先生はやっぱりすごい

なかなかブログが書き進めません😢
日常にないことが二つ以上起きると、生活に不自由がないものからおざなりになってしまいます。

私ごとですが、夏の疲れからか、持病のメニエール病が少し顔をだしています。生まれつき三半規管が弱く、平衡感覚を視覚で補っているので、歪んだ空間(遊園地や公園の造形による)に行くと立っていられなかったりします。

しかしながら、この数年、治療交換会をしてもらっている辻村先生の鍼のおかげで、平衡感覚が格段に向上しています。
今までは少し疲れてた時に、目を閉じると自分がぐるぐる回っていました。
遊具に乗ったみたいにぐるぐる回るので、目を閉じる時に起きるぐるぐる回りは秘かな楽しみなくらい日常でしたが、それが少なくなってきていました。

しかし、一週間くらい前に、圧が変化して耳抜きが出来ない状態になってしまいました。
朝起きて、立ち上がったら、そんな感じになり、仕事を始め汗をかいているうちに治っていくのです。が、数日繰り返しているうちに、治るまでの時間が少しずつ長くなってきたので、ネットで検索してみたら「耳管狭窄症」というのが一番近い症状で出てきました。

副鼻腔炎や風邪の後耳管の炎症で起きることが多いとありましたが、一度なると厄介なもののように書いてありました。

耳周辺のリンパの流れが滞っているために起きているだろうというのは、汗をかくと治るので予想がついていました。
それで、腕のセルフマッサージと頸部を温めてみました。いい方向に向いているようですが、あと少しって感じです。

辻村先生の治療を思い出しました。
翳風(えいふう)というツボを使って治療されていたので、そこにパイオネックスという小さな鍼がついたテープの、マッサージ師でも使える鍼なし玉だけのゼロというのがあるのでそこに貼ってみました。

なんだかスッキリしたような気がして、ツボの偉大さを感じました。
しかし、立ち上がった瞬間、立ち上がれないくらいのめまいに襲われました。
それは、単なる悪化ではなく、リンパが流れたけど、左右のバランスが良くないせいで起きたのではないかと感じました。

しばらく時間を置いてみましたが、頭が揺れるとかなり激しいめまいが起きます。が、その程度は少しずつ収まりつつあるようでした。
パイオネックスの左右の場所を確かめて、片側を貼り直してみました。少し場所が違うように感じたからです。

めまいはそのうち収まりました。
耳管の異常も8割型治った気がしましたが、そこはいつ悪化するかもしれないと思っているところに、辻村先生から
「今月の治療はいつしよう?」と連絡が来ました。

まさに天の助けです。

今の状態を報告すると、辻村先生先生は、
「翳風は正解。あと全身の代謝を上げるように水分(水分)にもパイオネックスをしておき。早くしないと治りにくくなるからすぐに行こうか」と言って下さいましたが、休みがとれず、治療交換会は一週間後の今日になりました。

けれど、言われた通りに、水分にパイオネックスを貼ると、おしっこがじゃんじゃん出て(笑)耳もめまいもかなりスッキリしてきました。まだ爆弾を抱えている不安はあります。

根本的には、休息が必要なのではないかとわかっています。

緩急上手に生きていきたいものですが、ツボはすごいし、我が師辻村先生はやっぱりすごいとしみじみ感じています。

辻村先生は、もう70を超えていらっしゃいます。先生の治療のおかげで、更年期も疲れも知らずにいられています。先生が治療して下さらなくなったらどうしたらよいのかととても心配です。
先生も自分を治療してくれる鍼灸師が欲しいと言われていて、自分に代わる方(後継者)を探していらっしゃいます。

志しのある方は是非ご連絡お待ちしております。

私の治療は、辻村先生との出会いのおかげで全く次元の違うものに進化を遂げたように思っています。
私自身、まだまだ人体の神秘をめぐる旅の途中です。
この旅をともに歩んで下さる方との出会いを楽しみにしています。
どうぞよろしくお願い致します。

パイオネックスゼロとの出会いは私の治療を変化させました。すごい効果はまたもう少ししてから🤫

災害お見舞い

おはようございます。

猛暑、大雨、巨大台風に、北海道地震。

あまりにどうにもならない災害続きで言葉もありません。
被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。

当たり前に使えている電気がこんなにいとも簡単に途絶えてしまうことを知りました。
そして、電気が来ないということは、電気とセットのお湯や水道まで止めてしまうこと、それらがないことが生活に及ぼす影響を、京都で言えば、ほんの数時間ではありますが、知ることができました。

ライフラインが途絶えたままの状態が長く続くということがどれほど大変か…

これからも起こりうるだろう災害を前に、私は、前向きな気持ちになれない時もありますが、10代の息子たちの何がなんでも生き延びてやると強い気持ちを持っているのを聞きながら、備えだけはちゃんとしておこうと強く思っています。

昨日行ったスーパーには、2リットルの水が、売り切れてありませんでした。誰もがそんな気持ちなんだなぁと思いながら、しばらくして落ち着いた頃に様々取り揃えておこうと思っています。

秋風が気持ちいい季節がやってきました。
夏の間、少し心がダウンしていましたが、臨床的には面白い新たな発見と挑戦を続けています。
少しずつご報告していこうと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

台風21号のため、公園の木々が風で倒れて、葉が舞い散っていました。
駆け足で行ってくれて助かりました。ゆっくり居座っていたら、被害はさらに拡大したに違いありません。

心は富士登山

仕事というのは本当に自分を映す鏡だとしみじみ思います。

私の心が仕事に向けて充実していると、当たり前のように仕事が頂けて、毎日が当たり前のように過ぎていきます。

反対に、他ごとに心を奪われたり、仕事の失敗を引きずって心がいじけたりしていると、どんどん仕事が減ってますます閉塞していくように思います。

私にとって目には見えない精神世界が、そこに確かに広がっているように感じるのは、こんな日々の営みがあるからです。

先日の話です。マッサージ施術をしながら、患者さんとお互いの昔話に花が咲きました。

私も患者さんもお互いに片親で育ったのでそんな苦労話をしたりしていました。

「幼い頃にジフテリアを患い、母親と離れたので、母親の顔も知らない。

父親は仕事をしていたので、あまり接することはなく、親しみが薄かったけれど、成人してからはあちこち旅行に連れて行ってもらった。

別府温泉に諏訪湖。いろんな温泉巡りをした。

でも旅行の一番最初は、富士山。
山小屋に泊まり、御来光も拝んだ。
五合目までバスで行っておしまいの人が多いやろ。
私が頂上まで登ったのは、人に自慢できるな?」と話してくださいました。

「今90歳で二十歳の頃に富士登山!すごいです。無茶苦茶に自慢できますよ。」

そんな話を繰り返して、施術を終えて帰ろうとした時です。
患者さんが咽び泣き始められたのです。
話しながら様々な気持ちが蘇ってきたのかと思います。

その涙は、悪いことばかりでなかった人生と今抑え込んでいる自分の事など、いつもは心に蓋をしていることを解き放った涙のように見えました。

私は何も特別なことはしていませんが、話を聞きながら、富士登山をするその方を空からこっそりと見ているような気持ちになりました。
そして、その後の患者さんの涙を含めて、このような時間を誰かと共有できる仕事をさせてもらっている事に心から感謝が湧いてきました。

夏の間、仕事がうまくいかないことも多くて、自らを省みなくてはと思いながらも、心の中で自分に言い訳ばかりしていました。

そんな時に患者さんと一緒にタイムトリップをして富士山に登ったような気持ちと、その後の患者さんの涙は、私の心まで解放してくれました。

長い間ブログを書く気持ちになれませんでしたが、ようやく心が前に向いてきたように思います。

また心新たに頑張ろうと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

外国人観光客の増えた京都。なかでも一番私の目を惹きつけるのは車椅子の旅行客。オシャレで臆する様子が全く見受けられない。同伴の方々も手を出し過ぎず、大概は電動の操作を見守っている姿に惚れ惚れします。
脚に障害があることと人間としての価値には何ら関係がないということをあまりに自然に、気負いなく過ごせるのは、周囲の理解とサポートあってのことなんだと思います。
がんばろー。まだまだな日本。

大阪の地震

今週の月曜日の朝、大阪で震度6弱の地震があり、京都でも震度5強という揺れがありました。

患者さんもそれから私の身近な人たちにも大きな被害はなかったのですが、初めての震度5強に大きく動揺しました。

そして、その時に、何かをする時間があったにもかかわらず、ただうろたえるだけで何も出来なかったことにショックを受けました。

今までは、他処で起きる震災をニュースで見ながら、生き延びた後のために何かを用意することや連絡の取り方を考えたりして来ました。少しの防災用品を準備したり、避難場所を確認したりしてきました。
また、患者さんの多くは、地震が来たら逃げられない。家にいるしかない、死ぬしかないなぁという話をされるので、なんとなく笑い話にしてそうしかないよねーなんて話して来ました。

しかしながら、あの揺れの時間は「長く」何かをすることで生死を分けるかも知れないと初めて強く思いました。

でもあの時間に何ができるんだろう。

いつどこで起きるかわからないからこそ不安で考えることすら思い浮かばないのですが、そんなことではいけないのだと思い様々考えを巡らせてみました。

とりあえず机などの下に入る。なければ毛布かクッションで身を守る。

やはり、これしかないかなと今は思っています。
(他にいいやり方があれば是非教えてもらえればと思います。)

それから患者さんたちとも、近い将来起きるかも知れない事態に、身を守った後のことを一緒に具体的に話し合ってみました。(身を守るために何かをすることは本当に困難だろうと思うので)

震度5強の揺れのせいか、その緊張が解けないせいか、今週は、体調不良になられた方が続出でした。嘔吐、不眠、嚥下不良など原因のはっきりしない症状が多いように思います。

何事も経験してみないとわからないことばかりです。どうすることも出来ない自然の脅威ですが、私に出来ることをきちんとしていきたいと思います。

被災された方々に心からお見舞い申し上げます。