マッサージ治療の効用を知ってほしい

お医者様の奥様で疲れが溜まるとマッサージを受けに来て下さる方がいらっしゃいます。

先日いらした折、お医者様はマッサージが好きではない方が多いように自分が感じている事を伝えてみました。
なぜなら、湿布や薬、後は自助努力でなんとかしたいと考えておられる方が多いからです。

奥様は、「確かに、他力本願はいけない、自分で努力しないといけない、マッサージに頼りっぱなしで癖になるのは良くないのではと思っているかもしれないですね」と仰っいました。

なるほど、
マッサージを単にリハビリの代用だと考えると、
自分で努力しないで、マッサージ施術を与えてもらうだけは他力本願になるかもしれません。
骨格器の疾患に対しては、
基礎的な筋力をきちんと維持していくことが何より大切なので
そうお考えになるのも当然です。

しかし、マッサージ治療は、
単なるリハビリの前座的な筋肉ほぐしの施術ではありません。

患者様の筋肉の弾力性に合わせて、
力強く張っている人は、張りを和らげ
力が弱くてオーバーワークの筋肉には、無理な緊張から解放し、
弱々しくはね返す力もない筋肉には優しく張りを与える
そういうことが可能な、
筋肉をベストコンディションに近づける事が出来る治療法です。

筋肉は、加齢や障害・オーバーユース(使い過ぎ)により、
筋肉を包んでいる筋膜に捻れを生じてしまいます。
これは、筋肉が、拮抗する2つの筋肉の収縮と弛緩により、
力の入らないゼロの状態に戻るように出来ているにもかかわらず、
そのバランスが崩れ、一方向の動きが、優位に働き続ける結果です。

ですから、そのバランスの崩れた状態のまま、
筋トレなどを続けるとバランスの崩れを強調してしまうことになります。

ジムのマシーントレーニングを続け、
素晴らしい筋肉を手に入れていらっしゃる方が
肩や腰の痛みを訴えることは
よくありますが、それはこのような理由からなのです。

また、脳卒中後遺症の方が、不自由な手足の克服のために、
傾いた姿勢のまま、長い時間、歩き続けた結果、
身体が元に戻らないくらいに歪んでしまうのも、
同じ理由がその発生機序だと私は考えています。

マッサージはこの筋膜の捻れに対して大変有効な治療法ですから、
全てを治療することが出来ないとしても、
バランスの崩れた状態をゼロに近づける事が出来るのです。

ですから、施術を終えたすぐ後より、
そこを起点に、身体を使っていただいた数日後のほうが、
状態がよくなっているということもよくあります。

そのとっかかりは他力本願かもしれませんが、
その後で身体の中で変化を起こすのは、自分自身の力です。

お医者が処方される抗生物質が、
その治療のとっかかりを与え身体を助けるのと同じです。

ただ、抗生物質と違うのは、
誰でもが誰にでも同じ結果を与えることが難しいことと、
手間暇かけた丁寧な時間を必要とすることが大きな違い、でしょうか。

多くのお医者様にも
心地いい、
それでいて身体が軽くて若返った気持ちになるようなマッサージを
体験していただけたらいいなぁと思います❣️

私は奥様にマッサージしながら、
上記のような話をさせていただきました。

術前
術後
頚椎のカーブが少しですが、柔らかくなっています。このわずかな変化が身体の中でダイナミックな変化を引き起こすのです。

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