先日ふと、本当にわたしはマッサージがうまいといえるのかとじっくりと考える機会がありました。
下手ということはないけど、自費治療で予約も取れないというような繁盛店ではないのは、やはり治療の組み立てが上手くないということや、患者さんの身体に対してきちんと見通しを立てた治療にまだまだ甘さがあるからなんだろうという結論にいたりました。普段からツメが甘く、感覚的に生きているので、治療もほとんど自分の感覚だけを頼りにしている面があります。そんなだから、施術後にあまりの下手さに自分で悶絶して泣きたくなる時もよくあります。
冷静にまわりを見渡すと、腕の良い先生方が数多くいらっしゃるな、とてもかなわないとしみじみと思うのです。にもかかわらず、わたしは、自分の治療がだれにも引けを取らないと思う「自信過剰」な面があります。それは、わたしの治療ではなく、患者さんの身体が結果を出してくれるという経験の積み重ねがあるから、つい自分がすごいんじゃないかと勘違いをしてきたのでしょう。患者さんの身体の変化は私の技術の結果ではなく、患者さん自身の治癒力の発動の結果だという事にようやく気がつきました。
つまり、わたしの治療は、技術的なこと以上に、患者さんのマインドに影響を与えていて、患者さん自身がなんだか病気でいるより元気でいる方がいいぞ!っていう感じでリラックスして自己修復に向かって行かれるというのが正確な評価なんだと気がつきました。
特別なにかを話したりするわけじゃないのですが、強いて言うなら、マッサージをしながら話される話を聴いているうちに、病気になられるまでの患者さんの心がわたしに流れ込んできて、二人でその辛かった時間を共有しているうちに、病気に向かっていった心が健康に向かい直したくなるという感じじゃないかと思います。
職人技を身につけてきた自分が好きだし、職人として生きている自分を誇らしく感じてきたので、技術以外で「癒し」ているという結論に少しガッカリですが、訪問マッサージのお仕事の依頼をいただく時、「心をほぐしてあげて」と言われることが多くて、いやいや身体がほぐれるから心がほぐれるんやでと心の中でちょっぴり反論していましたが、依頼して下さる人たちの方がずっとわたしをわかってくださっていたということなのですね!
これからは、自分は技術的なこと以上にリラックスを共有できる「技」があるという事を受け入れて、また、技術も自信を持てるよう精進し、さらにパワーアップした施術をしていきたいと思います!よろしくお願いします。