この秋で、訪問マッサージの仕事に関わり始めて25年になります。
23歳の時に、バイク事故で意識不明となった友人の目を覚ますためにできることはないかと隣に住んでいらしたヨガの先生に相談し、西洋医学ではカバーできない世界に足をふみいれました。けれど、その友人は覚醒することなく事故から3年後の秋に亡くなりました。
この出来事をきっかけに東洋医学に関わりたいとこの道を目指しました。
専門学校に入学し、マッサージのアルバイトを探していたら、知り合いから訪問マッサージの仕事を紹介してもらいました。当時まだ多くは知られていないこの仕事の面接に行く前の日に、このバイク事故で亡くなった友人が夢に出てきました。
どこかの洞窟の中でこっそり二人きりで会っていました。ただそれだけの夢でしたが、面接の後、仕事見学に行った時、夢の理由を知りました。
在宅で、きちんと意思疎通出来ない寝たきりの人たちの身体を動かしたり、能動的な人生を送れるように働きかけたりする仕事だったのです。
病院で寝ていた友人にどう接したらいいいいのか、お見舞いに通いながらも戸惑いの方が大きい3年間でした。お見舞いに行っても何もできずに付き添いの人と話をして帰ってくるしかできなかったのです。
私は訪問マッサージに関わることで、その戸惑いを乗り越えて自分にできることを探して行く旅を始めたのでした。
それから25年。
寝ている人に必要なこと。
私にできること。
障害を背負って生きるということ。
そして死ぬということ。
まだまだ見えない答えもありますが、患者さんに支えてもらいながら一つ一つ答えを見つけてこれたように思います。
私にこの道を示してくれたこの友人には感謝しかありません。寝たきりでいるということは、逆説的ですが、必死に生きるということではないかと思うようになりました。
まだもう少しこの道を進んで行きたいと思っています。
どうぞよろしくお願い致します。