「男やったら、頭使うか、汗かくかして、お金もうけなあかんやん。そう思わへんか?」
百戦錬磨の患者さんがこうおっしゃいます。
「いやー、私は見る目がないし、そんな風に男をみたことがないから…」と答えました。
「男やったら夢やロマンをもって必死に汗かくか頭使うかして仕事しなあかんと思うで」と続きます。
この方は訪問マッサージと訪問リハビリを同時に受けられていて、いつも私に
「なんでこんなしんどい仕事選んだん?あんたみたいに一生懸命する人は少ないと思うけど。」
と言って下さいます。
そして私と訪問リハビリを比べて
「リハビリは楽な仕事やで。足持ち上げるのにちょっと力いるけど、ほんま楽な金儲けやと思う。汗もかかない、同じことを繰り返すばかりで頭も使わない、こんな仕事では、夢やロマンを持つのは難しいと思うわ」
と言われます。
この方の言われていることが、全て正しいとは、もちろん思いません。
こちらの工夫や考えの全てを患者さんに伝えるのはとてもむつかしく、表面的な理解で誤解を招くことがよくあるからです。
しかし患者さんにこのように思われているということに自覚がないのはよくないと思います。「こちらはなんとかよくなりたいとマッサージも受けリハビリもお願いしているのに、頭も身体も使ってない」と患者さんに思われては、実際マッサージが良くしている力になっていてもそのおかげだと感じてもらえません。
今回はリハビリの先生に対する言葉ですが、これは私たちマッサージに対しても同じで、
「なんとかしよう」と工夫する姿勢がなければ、同じように思われてしまうのでしょう。
ですから、相手に伝える努力がやはり大切なのかなと思います。(必死で工夫していると自ずと伝わるものであるように思いますが)
この方は女であって仕事一筋に生きてこられた方なので、男なら尚更という意味で言われているように思いますし、この言葉の本質は、男子とは、ということではなくて、仕事に向き合う姿勢について言われているのかと思います。(とはいえ、魅力的な男とはという極めてパーソナルな問なので、男とはと言っても問題はないように思いますが)
また、職種による優劣より、仕事に向き合う姿勢で判断をされているのだと思いますが、これは私たち訪問マッサージ師にとってとても大きなヒントになるように思います。
患者さんの依頼目的を達成するために、必死の工夫を凝らすことが大切なのであり、理学療法的なアプローチであっても、結果にコミットしているという実感がなければ評価は高くならないのでしょう。
マッサージだから評価が低く、理学療法的なアプローチをしているから安心というような訪問マッサージの宣伝を見たり聞いたりすることがありますが、そうではなくて、結果にコミットしていく姿勢が何より大切だと言われたように思います。
「汗をかいて、頭を使って」頑張っていきましょう❣