先日、患者さんが作られたお昼ごはんの炒飯を私もいただきました。訪問前に完成したところだったと、私の分もとりわけて下さったのです。
食が細く、チキンラーメンも半分しか食べられないと言いながらも、お料理がとても上手で、いつも一汁三菜を基本にした食事をされていて、どんなお料理も一手間を惜しまずに作っていらっしゃいます。
炒飯には、きのこが好きだからと、シメジとマイタケ、キャベツと白菜。それから牛肉も入っていました。
味付けは塩コショウとハイミーだそうです。
こんな美味しくできるものかと私も次の日に炒飯を作って見ました。
しかし、残念ながら、この味には及びませんでした。味付けのさじ加減が難しいですね。
私のこの方への訪問マッサージの始まりは5年前まで遡ります。
左手首の骨折後、指の付け根(中手指節関節)が拘縮して使いにくいのでなんとかして欲しいという依頼で訪問が始まりました。
この方は、この訴えとは別に、基礎疾患に、喘息と肺気腫(タバコやホコリ、粉、石などを吸い込むことで肺胞が破壊され、日常生活を送るのにも困難な状況になる肺の疾患)を抱えていらっしゃいました。
まだ老人というにはお若くてしっかりされていま したが、呼吸器疾患のため在宅酸素を手放せず、少し無理に動くと心肺機能がダメージを受けてしまうため、自由に外出ができないという方でした。
呼吸がうまくできないというのは何よりつらいことのように思います。
酸素をうまく取り込めない身体は心臓の拍動を増やしてなんとかしようとするので心臓にまで負担をかけます。
その結果一過性の心不全が起きるのか、肺機能に問題がある人が無理をした後、浮腫が全身に見られることがあり、何かあれば、すぐにわかるくらいです。
この患者さんへの治療は、まず主訴である、手を使いやすくすることです。
指の筋肉・靭帯というのは、細く、複雑な動きに対応できるように複雑に作られているので、他人がどうにか出来るものではなく、本人が使い動かすしかないと考えています。
ですが、使えないことで、大きな腕や背部の筋肉までもが萎縮してしまっているので、こちらを改善することは出来ます。
この大きな筋肉が改善すると、指まで使いやすくなるので、あとは本人が日々の暮らしで使い続けていくことで大きく改善していきます。
こうして今では、見た目はほとんど左右差がなくなりましたが、ご本人はまだまだ違和感があるとおっしゃいます。やはりそこは、ジブンデガンバッテクダサイです。
もう一つこの方にとって、私の訪問が必要な大きな理由があります。
それは、呼吸器疾患です。
胸郭を広げて必死になって息を吸い続けると、呼吸筋がオーバーワークになり疲労し、ますます呼吸困難になります。それで、呼吸筋の疲労を回復し、常に最良の状態にしておくことが何よりも大切なのです。
5年に及ぶお付き合いの中で、施術期間が4日以上あくと呼吸が浅くなり気怠くなってしまうことが、お互いにわかってきました。
呼吸状態さえ問題なければご機嫌に毎日の生活を送ることが出来ます。
美味しい料理だって作れます。
ですから、この方がお料理を出来ているということは、ベストコンディションに近い状態にあるということなのです。
というわけで、お皿に盛って下さった炒飯は遠慮なくいただきました。
ご馳走さまでした👍
粕汁はブタとブリが入っています。どちらも臭み取りに一度湯通しがしてあって、お野菜たっぷりでとても美味しい得意料理の一つです。
赤こんにゃくは滋賀県の特産品。ピリッと辛くてめちゃくちゃ美味しかったです。