仕事中に流れていたテレビの中で「バリデーションが認知症を救う」という特集がしていました。
「バリデーションとは、アルツハイマー型認知症および類似の認知症の高齢者とコミュニケーションを行うための方法の一つです。認知症の高齢者に対して、尊敬と共感をもって関わることを基本とし、お年寄りの尊厳を回復し、引きこもりに陥らないように援助するコミュニケーション法です。」
そう説明され、社会福祉学の中で科学的に研究実践されているそうです。
テレビには、バリデーションの研究をされている教授が、老人ホームを訪れ、その実践されている様子が映し出されていました。
共感を示し、スキンシップを行いながら心の距離を縮めていくことで、介護に抵抗を示されていた方が穏やかになっていかれる様子が放映されました。
すごいなと思う一方で、熟練した医療・福祉関係者なら誰でも出来るし、していることですが、名前がついて科学的な実践となると普通に実践していることよりすごく聞こえるのだと少し複雑な気持ちになります。
正しいとか間違っているとか審判しないで、自分の気持ちをそのまま認めてもらえて、さらに共感を示してもらえたら、認知症じゃなくても、大人も子どもも誰だって嬉しいし、心が落ち着きます。
とりわけ、認知症になることで、間違ってるんじゃないか、責められるんじゃないか、バカにされるんじゃないかと不安が高じてくると、去勢を張って怒ったり怒鳴ったりされるのは、ごく当たり前のことで何も驚くようなことではないのです。
でも患者さんの心のトゲを抜いたり、ハリネズミの鎧をはずしてもらうようなやり取りは、受け手の感受性が、大きな部分を占めてしまうことが多いように思うので、科学的な方法論が確立していき、現場で全ての人が実践できるのはとてもいいことなのだと思います。
私自身も、長い間気がつかなかったのだけれど、言葉で表現するのがとても苦手なようで、伝える作業が下手で、治療院のスタッフにもうまく指導・共有できないことが多々あります。ですから、世の中のこういう社会状況にアンテナを張りめぐらすことで、私自身ももっと自分を知ることが出来、苦手を克服していけるのだろうと思います。
新学期の四月になったことですし、気持ち新たに頑張りたいと思います。
よろしくお願いします。