平昌オリンピック、女子500mショートトラックで金メダルを取られた小平奈緒選手は、全てにおいて研究を重ね、金メダルを目指して来られたそうです。その求道者としての姿に深く感動と尊敬を覚えます。本当におめでとうございます。
報道の中で、小平選手が解剖学まで学び、筋膜リリースの方法論のアナトミートレインを実践されて来たとありました。
▼小平の強さ、自分の体を熟知しているから 清水宏保(朝日デジタル・有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASL2L33XBL2LULZU003.html
無敵の強さを誇る金メダリストが、その拠り所の一つにしていたことに、筋膜リリースやアナトミートレインの効果の高さが実証されたようで、筋膜リリースの治療師にとっては、とても嬉しい知らせです。
アナトミートレインというのは、簡単に言うと、筋肉を解剖学的に分離した一つ一つ動きを中心に考えるのではなく、身体の動きを中心に一つらなりの働きを持つものとして捉えて治療していく考え方の基礎理論のことです。
東洋医学における経絡とよく似た走行のものもありますが、気血の運行ではなく、解剖学的な考えを基礎に持つものだと言われています。
私的には、筋膜リリースは、按摩術の中にあるものと、ほぼ同じで、按摩術の熟練の先に、経絡経穴を感じる道があり、そこに鍼灸治療による内科的治療があると考えているので、やはり、解剖学的に発展してきたこれらより、3000年の歴史を持つ、東洋医学の方が奥が深いようには思います。
ただ、この東洋医学というのは、熟練した技や目に見えないものを感じる力が必要なので、広く受け入れられにくいというのが現状なのかなとは思っています。
しかしながら、アナトミートレインや筋膜リリースなど、アメリカを中心したマヌュピレーションmanìpulátion(手技療法)の本には、必ず施術者だけでなく、被施術者の身体の感受性を高めることが何より大切だと書かれています。
結局のところ、洋の東西にかかわらず、解剖学的な分析よりも、感じることが、健康な肉体の基本なのだと言うことじゃないかと思います。
私たちは、素晴らしいものを受け入れつつも、アメリカから輸入された流行りに飛びついてばかりいないで、四季を感じ、繊細な感受性と肉体を持つ日本人が作り上げてきたことを大切にしていけばいいんじゃないかなと思います。