今年一年を振り返るような時期になっていますが、私の今年一年は、私のマッサージ人生の中で最も大きな技術革新が起きた年となったように思います。
その違いは、傍目から見ても、施術を受けていただいていてもわからないかもしれないようなものですが、施術後の感覚は、以前のそれとは一味違うのではないかなと思っています。
それは、
問題を抱える身体が全体の中の変化であるという捉え方と、
その身体の持ち主に合わせた刺激量の調整の仕方を学んだこと、
それらが少しずつ形になってきたからだろうと思っています。
自分としては、東洋医学的なものの見方の中では、これらを当然のこととして今までもアプローチしてきたわけですが、鍼灸師の辻村先生と出会うことで、凝り固まった身体をほぐすということが力技ではないことを意識するようになり、受け手の状態への合わせ方もより繊細に変えていく必要があることを知りました。
私たちマッサージ師の日々の臨床の多くは、外科の手術のように、レントゲンで変性部位を確認し、そこに狙いを定めて取り除くというようなはっきりしたものではありません。
ご本人の訴えと医師の診断を基本に、より問題が集中している場所を探りながらの作業になります。ご本人の訴えや診断のついている病変部位が、問題解決の部位とは限らないからです。それは結果ではあっても、原因を他に求めた方が効果的に治療できるということがあります。
このことは、頭では理解していても様々な疾病や、老化に伴う病変の場合、解決の糸口を探っていくのは、容易ではありません。
目の前の一番大きな訴えに目を奪われてしまったり、様々な問題が混在しているように見えるからです。
このような身体をより全体的に、また、より陰陽虚実という生命力や治癒力という大きな視点から見直してみることが少しずつ出来てきた一年でした。
先日も、斜頸という、頸が先天的、あるいは後天的に傾げた状態になってしまった方の治療をしていて、自分の考えがまだまだ狭かったということに気づきましたが、この続きは次回に。